マイホームを売却したときの税金


個人の所有者自身が住んでいたマイホームのことを税務上では居住用財産といいますが、これを譲渡したときには、条件に応じて各種の特例があります。
譲渡とは、大まかには売却のことだが、売却は一般的には有償であるのに対し、譲渡は無償の場合も含まれる。権利・財産、法律上の地位などを譲渡すのが譲渡で、法律・税金関係の条文・規定などでは、売却は使われない。
譲渡益が生じた場合 居住用財産を売却した場合 3,000万円の特別控除の特例
所有期間が10年超の住居用財産を売却した場合 軽減税率の特例
特定の住居用財産を売却した場合 買換えの特例
住居用財産を相続などで取得した場合 買換えの特例
譲渡損が生じた場合 住居用財産の買換えなどの場合 譲渡損失の損益通算、および繰越控除の特例
特定住居用財産の買換えなどの場合 譲渡損失の損益通算、および繰越控除の特例
《譲渡益が生じた場合》

土地・建物を売った結果、売却益が出た場合は、その売却益(譲渡所得)に対して課税される

課税譲渡所得金額×税率
課税譲渡所得金額=譲渡価額−(取得費+譲渡費用)
区分 税率
所得税 住民税
長期譲渡所得 15% 5%
短期譲渡所得 30% 9%



@ 所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例
    課税譲渡所得=譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除(3,000万円)
A 長期譲渡所得の税額を通常の場合よりも低い税率で計算する軽減税率の特例
課税長期譲渡所得金額 税率
6,000万円以下の部分 14%(所得税10%+住民税4%)
6,000万円超の部分     20%(所得税15%+住民税5%)
>適


@
自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること
なお、住まなくなった家屋や敷地等の場合には、その日から3年目の年末までに売ること(災害によって滅失した家屋の場合も同じ)
売った年の前年・前々年に次の特例を受けていないこと
居住用財産の3,000万円特別控除
マイホームの買換え・交換の特例
マイホームの譲渡損失についての損益通算、および繰越控除
売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと
住んでいた家屋、または住まなくなった家屋を取壊した場合は、次の要件すべてに当てはまること
その敷地の譲渡契約が、家屋を取壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること
家屋を取壊してから譲渡契約締結日まで、その敷地を他の用に供していないこと
売り手と買い手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと
A
国内にある自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地を売ること
なお、以前に住んでいた家屋や敷地の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること
売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること
売った年の前年、および前々年にこの特例を受けていないこと
売った家屋や敷地について、次の特例を受けていないこと
上記@イの特例(ただし、マイホームを売ったときの3,000万円特別控除の特例と軽減税率の特例は、重ねて受けることができる)
売り手と買い手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと
《マイホームを売って、譲渡損失が生じた場合》
土地・建物を売って譲渡損失が生じた場合、原則、その損失金額を土地・建物以外の資産の譲渡所得金額や他の所得金額と損益通算することはできません。
ただし、マイホームの譲渡損失については、土地・建物以外の資産の譲渡所得金額や他の所得金額と損益通算することができ、これらの通算を行ってもなお控除しきれない損失の金額は、その年の翌年以後3年間にわたり繰越控除することができる特例があります。これを、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例といいます。
新たにマイホームを買換えたときの特例
売ったマイホームの代わりに新たなマイホームを取得し、年末においてその新たなマイホームの取得に係る住宅ローン残高がある場合には、一定の要件の下で、売ったマイホームの譲渡損失金額について損益通算、および繰越控除することができます。
新たにマイホームを買換えないときの特例
マイホームの譲渡契約締結日の前日において住宅ローン残高があるマイホームを売った場合には、一定の要件の下で、そのマイホームの譲渡損失金額(住宅ローン残高からマイホームの譲渡対価額を控除した残額が限度)について損益通算、および繰越控除することができます。
特例の要件

買換えるとき 買換えないとき
売ったマイホームの所有期間 売った年の1月1日現在で5年を超えるもの
住宅ローン残高 不要 必要
新しいマイホームの取得 必要 不要
住宅ローン残高 必要 不要
繰越控除する年の合計所得控除 3,000万円以下であること
《特定のマイホームを買換えたときの特例》
マイホームを買換えたとき、一定の要件のもと、譲渡益に対する課税を将来に繰延べることができます(譲渡益が非課税となるわけではない)。これを、特定の居住用財産の買換えの特例といいます。
なお、この特例の適用期間は2009年12月31日までです。
適用要件
@ 売買したマイホームは、いずれも国内にあり、売ったマイホームについて、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例など他の特例(売った年、その前年、前々年)を受けないこと
A 自分が住んでいる家屋や敷地を売ったこと
なお、以前に住んでいた家屋や敷地の場合は、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までの売却であること
B 売った年の1月1日現在において、売った人の居住期間が10年以上で、かつ売った土地建物の所有期間が共に10年を超えるものであること
C 買換える建物の床面積が50u以上のものであり、買換える土地の面積が500u以下のものであること
D マイホームを売った年の前年から翌年までの3年の間に買換えること
E 買換えるマイホームが、耐火建築物の中古住宅である場合は、取得の日以前25年以内に建築されたものであること
(ただし、耐火建築物以外の中古住宅、および2005年4月1日以後取得する耐火建築物である中古住宅のうち一定の耐震基準を満たすものについては、建築年数の制限はない)
F 売主と買主の関係が親子や夫婦など特別な間柄ではないこと
上記の税率などは、2009年4月1日現在法令等による